« マイブーム:2人のKoreanスーパーギタリスト | メイン | 業績予想の修正について »

World Knowledge Forum@Seoul

10月17日から18日にかけてソウルで開かれているWorld Knowledge Forum 2007に参加している。私は2日目の「Japanese Entrepreneurship」というセッションに参加することになっている。不勉強で知らなかったのだが、今回で8回目を迎える一大カンファレンスであり、参加者も3000-4000名くらいあるのではないだろうか。

スピーカーにはColin Powell、Alan Greenspan、竹中平蔵氏といった行政サイド、「エクセレントカンパニー」のTom Peters、IT業界からはVinton Cerf(Google)、Philip Rosedale(Linden Lab)、Robin Li(百度) といった、バラエティに富んだ顔が並んでいる

■Colin Powell
17日のオープニングキーノートは元 コリン・パウエルであった。彼の軍での経験や自身の歴史を振り返りながら、

「今後の世界の平和を考えたときに、最も重要なのはPolitical Democracyではなく、Economic Democracyである=どのような国家であれ、衣食足りなければ礼節は守れないし、どのような理想を掲げても、それが経済的に自律・継続可能でなければ意味がない」

「アメリカが常に(軍事的な)仮想的を作りたがっていると思うのは間違い。経済的にも、オープンな中でよい意味での相互依存関係を高めていきたい」

という話をした。今回のカンファレンスのサブテーマが「Wealth Creation & Asia」なので、それに沿った内容であった。元国務長官、ということもあり、そつのない内容であったが、スピーチそのものは大変引き込まれる、迫力のあるものであった。会場に入るときに空港にあるようなセキュリティゲートを通らされたのは愛嬌か。


■Philip Rosedale, Founder, Linden Lab.

韓国でもますます話題になっている様子のSecond Lifeについて彼の信念を熱く語ったセッション。スピーチは特段目新しいものではなく、

・小さい頃からリアルワールドをいかにコンピューターで代替、作り変えるかに興味を持ってきた
・近いうちにバーチャルワールドはインターネットを越える存在となる
・音声サービスの追加、グラフィクスの進歩によりSecond Lifeの成長はますます加速される。
・オープン化をどんどん進めていく

といった内容であった。想像するに、サービスとしての話題性とユーザー数は伸びているものの、他の革新的ネットサービスと同様、「いかにして収益モデルを作り上げるか」の証明が出来きっていないため、言えることが限られるのだろう。

講演後、若い女性がPhilipに写真とサインを求めにいっていたのはびっくりした。もしかしたら韓国では彼はセレブ化しているのかもしれない。ワインをボトル2本くらいあけて、暗い部屋で見ればブラピに見えるかもしれないくらいイケメンなので、ま、さもありなん、ということなのでしょうか?あるいは韓国の女性のほうがこうした部分に素直なのかもしれない。


■Tom Peters

初日の中では最もInspiringなスピーチだった。

【メッセージその1:You don’t get better by being bigger. You get worse】

過去10年以上にわたる様々な金融機関の合併を分析したところ、どの合併も組織の効率性は上がらなかった、という結果になった。

また、1917年と1987年の米国のトップ100企業を調べたところ、1917年のトップ100のうち、1987年まで存続した会社はたったの39社だった。また、1917年と1987年の株価を比較したときに、株式市場の平均利回りより優れた実績を出した企業はたったの2社:GEとコダックだけだった。

こうしたことから、エクセレントカンパニーでいるためには規模というのは助けになるどころか、阻害要因である。


【メッセージその2:Secrets of Excellence】

では、何がエクセレンスを決定するのか?彼は6つの「secrets」を挙げてくれた。

1. Decentralization(管理志向の抹殺、権限委譲)
2. Mess(あえて混沌を作り上げる)
3. Mid-sized enterprise(規模を追わない)
4. Unbridled imagination(制約をつけずにイメージを膨らませる)
5. Education focused on nurturing creativity(創造性最大化を教育の目的にする)
6. Servant leadership(ステークホルダー(顧客、社員、パートナー他)にとことん尽くすためのリーダーシップ)

個別には細かい内容を紹介しないが、アメリカ人が良くやる格言系でいくつか印象に残ったものを。。。

◆Messに関して
「The secret of fast progress is inefficiency, fast and furious and numerous failures」
(Kevin Kelly)

◆教育に関して
「Every child is born an artist the trick is to remain an artist」(Picasso)

「もともと人間というのはクリエイティブで、アントレプレナーであったはず-生きるために獲物を獲得し、そのための武器、わなを発明し、食物を育てる方策を生み出していった。ただ、国が「あなたはよき市民になるべき」「あなたはよき労働者になるべき」といった制約、先入観を押し付けてしまうと、みなもともと持っていた創造性、起業家精神を失っていくのだ」(Muhammad Yunus:ノーベル平和賞受賞者)

◆Servant leadership
Leaders serve people – that’s it.


◆エクセレンスとは、のまとめに代えて。。。
Enterprise=an emotional, vital, innovative, joyful, creative, entrepreneurial endeavor that elicits maximum concerted human potential in the underhearted service of others


****************************************************

Tom Petersが話しているエクセレンスとは、「Built to last」の言葉にあるように、30年、50年、いや100年続く会社を作り上げるためには、との課題に対する答えだと思う。彼が挙げている6つの「Secret」心から共感できるものばかりであり、私が日々目指しているものである。

しかしながら、同時に、どの「秘密」をとっても一朝一夕に出来るわけでもないし、今日の短期的業績に対するプレッシャーの中では短期的施策とトレードオフになる可能性すら出てくる。

ただ、短期と長期いずれかだけを取れといわれたらどちらが本質的で大切かは明白なはず。

この6つのSecret、常に心に銘じて日々少しづつでも積み重ねていきたい。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.realcom.co.jp/mtctrl/mt-tb.cgi/94

コメントを投稿

About

2007年10月17日 16:57に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「マイブーム:2人のKoreanスーパーギタリスト」です。

次の投稿は「業績予想の修正について」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。