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Principles


今日、慶應大教授であられる池尾和人先生に、「金融資本市場改革をめぐる最近の政策動向」と題してお話を伺う機会を得た。

その中で非常に興味を持った話のひとつに、「いかに魅力的な証券市場を作るか」というものがあった。

「シティ・オブ・ロンドン」という英国政府の外郭機関が、世界の証券取引市場のランキングを出しており、最近ではロンドンがニューヨークを抜かして世界一となっている、との事。ちなみに、香港、シンガポールが3、4位を占め、東証はなんと世界9位に低迷している。

東京がいまや世界第3位の市場でないばかりか、アジアNo.1の市場ともみなされていないことは衝撃的だが、その話はさておき、注目すべきはロンドンがニューヨークを追い越したことである。

教授によると、エンロン事件後の、SOX法導入に代表される過度な規制強化が、ニューヨーク市場の魅力度を大いに損ねたのが理由との事。確かにその通り。

市場として魅力的であるためには、「信頼」を確保する上で欠かせない強力な規制監督体制を確立しながらも、変化し続ける市場環境や技術条件に適応していく柔軟性を持ち合わせる、という、一見二律背反な条件を最高レベルに高めることが必要である。

こうしたトレードオフの中で最適解を提示するために必要なのは、rules-baseのマネジメントではなく、principles-baseのマネジメントであり、principles-baseの歴史と文化がある英国が、rules-baseの米国流に勝った、ということだ。ちなみに、池尾先生は、principlesを「実質基準」、rulesを「形式基準」と訳されていた。残念ながら今日の日本も圧倒的「形式基準主義」になっている気がする。

そう、ケンブリッジで学んだ、かの白洲次郎氏もその著書の中でこういっていた。

「プリンシプルは何と訳してよいかは知らない。原則とでもいうのか。日本もますます国際社会の一員となり、我々もますます外国人との接触が多くなる。西洋人と付き合うには、すべての言動にプリンシプルがはっきりしていることは絶対に必要である。日本も明治維新前までの武士階級等では、すべての言動は本能的 にプリンシプルによらなければならないという教育を徹底的にたたき込まれたものらしい。残念ながら、我々日本人の日常はプリンシプル不在の言動の連続であるように思われる」

けだし名言。今日の、「プリンシプルのない日本人」のままでは、世界どころかアジアのリーダーシップすら取れない「過去の経済大国」になってしまう、そんな危機感を国として持たなければ。

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2007年7月 4日 21:01に投稿されたエントリーのページです。

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