本日より、SILという新しいインキュベーション事業を、シリコンバレーで行う。
詳細はこちらを参照。
http://www.realcom.co.jp/sil/index.html
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/topic/2007/05/15/10263.html
SILの設立記念日である5月15日は、私にとって大切な節目の日である。なぜなら、1994年の5月15日は私が初めてコンサルタントとしてシリコンバレーに渡った記念日であり、そのときの感動、「やるぞ」という思いがリアルコムの創業につながっているからである。
同じような感動、同じような思いをもって、「世界を変えていく」会社を立ち上げるEntrepreneurを一人でも多く作っていきたい、これが私がSILに託している思いである。
先週、私のシリコンバレーの友人(日本人、滞在歴15年近い)にSILの話をしたところ、以下のような反応が返ってきた。
「素晴らしいトライアルだと思います。ご健闘を期待します。ただ・・・・
この間、事業パートナーの米国人と話をしていて、今後成長を企図していくうえで、彼はもう日本人にこだわることはないじゃないか、という立場なんですね。
とにかく世界全体を眺めたとき、日本は世界でも特殊なほどに「新しいことをやろうとする優秀な人間が少ない」と。日本を含め世界を飛び回って、優秀な人材の発掘をしていた人間の感覚なんだな。
日本に手をかける暇があったら、リトアニアとかハンガリーとか、飛び切り優秀でハングリーな連中がたくさんいるのに仕事がない地域がたくさんあるぞと。
僕も非常に深く活動の価値は感ずる(非営利なら手放しで素晴らしい)のですが、それがどの程度、営利目的と合致するかは未知数という気がします。」
これに対する私の返信は以下。私の思いがこもっているので、このまま掲載しちゃいます。
「おっしゃること、同感です。しかしながら、ここは日本人として考えたときのジレンマですが、私はあくまでナショナリズムにこだわってビジネスをやろうと思っています。これは、シリコンバレーに長くいたゆえの私の感覚ですし、当然NPO的動きではないものとしてやっていきます。
たとえば、日本がサッカーワールドカップで優勝しようと思ったら、いちばんの近道はブラジル人を中心に優秀な外国人選手を帰化させて、「日本国籍代表だけど日本人代表?」のチームを作ることです(カタール他中東のオイルダラー諸国はこれに近い施策をとっています)。実際、過去および現在の日本代表のキープレーヤーには帰化選手が多くいます(ラモス、呂比須ワグナー、三都主、トゥーリオ)。だけど、こんなやり方は無しですよね。
純血主義とまで言いませんが、それでもあえて挑戦しなければ少なくとも日本のITインダストリーは死んでしまうと感じています。日本におけるこの業界、IPOして時価総額的には大成功した会社の中で「グローバルスタンダード」でみたら存在意義に疑問を感じる会社があまりに多い。私は日々日本国内のニュースを見ながら、アメリカの物まねしか考えないITベンチャーの経営者、それをはやし立てる市場関係者に嫌悪感に近い怒りを感じています。
パートナーの方の意見ははっきり言って近視眼的だと思います。この四半期、この1年で結果を出すためには、彼のやり方でよいと思います。しかし、それでは歴史は作れない。。。
(またサッカーの話で申し訳ないですが)三浦カズ選手は、高校生時代留学したブラジルで「ジャポネ」といわれ、馬鹿にされました。「ジャポネ」=「サッカーが下手なやつ」という意味です。彼が、40歳を過ぎても現役でいられる原動力の一つが、このときの悔しさ、「日本人でもいいサッカーが出来るんだ」という思いだと思っています。
パートナー氏が言うとおり、そして私も過去痛感したことは、シリコンバレーでは「ジャポネ」=「新しいこと、Creativeなことが出来ない、ITを通じたイノベーションが出来ないやつ」という図式が成り立っていることです。
私のライフワークのひとつは、この図式をぶち壊すことです。当然、ビジネスとしてやるので、赤字を垂れ流す慈善事業としてではなく、冷徹に収益を計算した上での動きです。
かの巨匠ゴッホ、実は生前で売れた絵はたったの一枚でした。それも画商であった弟の助けでようやく売れた一枚でした。それが、現在では多くの人の心を揺さぶる作品の主として賞賛されています。
私は、Entrepreneurもそうあるべきだと思っています。つぶれてしまっては元も子もありませんが、われわれの仕事の評価は、1年や3年-5年、あるいは10年レベルでされるのではなく、50年、100年レベルでされるべきだと思っています。そうした仕事をやっていきたい、それが私の思いです。
そのための一歩、おっしゃるとおり、いばらの道ではありますが、ビジネスとして成立させる自信はあります。ぜひ暖かく、かつ厳しい目で見守ってください。
7月にはそちらに行くと思いますので、ぜひそのときにお会いできればと思います。また、いろいろとお話をさせてください。」
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長く厳しい勝負になるが、歴史を作るため、がんばっていきたい。今日はその第一歩を記した記念すべき日である。