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2007年5月 アーカイブ

2007年5月30日

義に殉ずる

松岡前農林水産相が自殺し、亡くなられた。

報道されているように、私も「ナントカ還元水」の追及に苦しみ、自殺したとは考えられない。何らかの、より大きな動きのひとつに組み込まれてしまったがゆえに、そして凡人の私には推し量れない「何か」を守るために自ら命を絶ったのだと推測する。

人間、誰しも大きな仕事をしようとすれば、さまざまな人々との「貸し借り」のやり取りは絶対必要になってくる。政治家として大きな事を成し遂げようと思った挙句、そうした「貸し借り」が大きくなりすぎて、自分でもコントロールできなくなることがあるのかもしれない。それにしても、自ら死を選ばなければならないほど大切な「義」とは何なのだろうか。

戦国時代、お家を守るため、忠義の証として、そして自らの名誉を守るために侍たちは進んで死を選んだ。松岡氏の心境もこうした時代の侍と同じなのだろうか。

今は戦国時代ではない。現代において、自分の死を心から悲しむ人たちがいることも知っておきながら、このような道を選ばざるを得ない結果になってしまったことには、とても心が痛む。

が、同時に、このような思いで日々政治にあたる人ばかりであれば、その力をプラス面に生かすことが出来れば、日本ももう少し良い国になれるかもな、とも思った。すべては方向付け、リーダーシップの問題。

松岡氏のメッセージを受け取った安倍首相がどのような行動を取られるのか、注目してみいきたいと思う。

松岡様のご冥福をお祈りします。

2007年5月28日

NILS(New Industry Leaders Summit)に参加

NILSは、グロービス・キャピタル・パートナーズの小林さん他IBM勝屋氏、ネットエイジグループ西川さん、アドビ田中さん他さまざまなスポンサー/有志の方により3年前に始まった、IT業界のトレンドを把握するには欠かせないカンファレンス
(http://venturecapital.typepad.jp/blog/2007/05/new_industry_le_6a15.html)。

縁あって宮崎シーガイアで開催された第一回以降、洞爺湖での会を除いて今回の第6回まで参加させていただいている。年に2回、オフサイトで2泊3日をつぶすのは経営者としては結構きついが、それ以上に収穫のあるカンファレンスである。

昼の部では、さまざまなスピーチ、プレゼンを通じて、とかく日々のタスクでオーバーフロー気味の頭をリフレッシュし、最新のトレンドを把握するとともにさまざまなインスピレーションを感じることが出来る。また、ネットワークタイムでは東京にいてもなかなか会えないさまざまな人と一気に会い、近況の交換が出来る、非常に効率的な会である。

また、夜の部では気の置けない仲間とどんちゃんやりながら、これまた深い情報交換が出来る、知力(はまったく必要なし?)、体力の限りを尽くす2日間なのだ。

私は今回Launch Padというプレゼン大会に参加した。

聴衆300人を前に新製品、新サービスを各社6分厳守で(プレゼン途中でも切られる)プレゼンし、選ばれた審査員7名がそれぞれ5点満点で評価し、その場でトップ3だけ表彰する、という企画。11社が参加した。

われわれは、弊社主力製品の新バージョンである、「KnowledgeMarket Enterprise Suite V4」なるものをデモした。このひとつの売りは、社内、社外のサービスと圧倒的な低コストでつなげることが出来る「マッシュアップポータル」であった。

結果は、35点満点中33点で惜しくも2位。ただ、Webサービス、携帯系が殆どのこのNILSの中でEnterpriseベンダーのこの成績は、まあバルセロナを相手にアウエーで勝ち点を取ったのと同じくらい価値があると思っている(意味不明?)。

ちなみに3位ははてな(31点)、優勝はなんと満点を取ったサルガッソーでした。この「nota」、面白いです。鈴木君、やるやる。
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20349552,00.htm

http://nota.jp/

事前に、「優勝商品はありません。スピーチが出来るだけです」といわれていたが、なんとサプライズで、商品として野村不動産さん提供のディナークルーズと、日本テクノロジーベンチャーパートナーズの村口さんがやっている九谷というおすし屋さん(http://9tani.jp/)の9万円(!)クーポンが提供されていた。

うーん、たった2点差なのに、私は商品何も無し。この差はでかい。

が、これが勝者と敗者の差。たった2ポイント差でも、歴史に残るのは1位のみ。

やはり勝負の世界は厳しいー!

2007年5月18日

究極のブランド?

昨晩、ひとりで会社近くにある浅草橋の焼き鳥屋に行った。日々人に囲まれて仕事をしていると、時々無性に独りになりたくなる。昨日はそんな夜だった。11時頃仕事を切り上げて、カウンターに一人で座り、生ビールとささみ焼きでたった一人の晩餐をスタートした。

ふと気がつくと、後ろのテーブルがにぎやかだ。3人組の男性客と、2人組の女性客がひょんなことから仲良くなり、盛り上がっていた。女性のリーダー格は年の頃35歳、大変体格の良い、朝青龍体型だった。彼女が男性チームの中で最もスマート風の男性に突っ込みを入れていた。その男性も年の頃35歳、しゃれたスーツで身を包み、靴とネクタイはフェラガモ。ついつい聞いてしまった会話から、灘高→東大卒の外資系金融機関のエリートらしい。


「ふーん、あなたってブランド志向が強いのね。きっと奥様もブランド学校出ているんでしょ」と彼女。


「まあ、たいしたこと無いけどね」ともったいぶりながらも「確か(って知らないはずないでしょ!)桜陰を卒業して、僕とクラスメートだったんだよねー(=東大)」と自慢げな彼氏。


そのもったいぶり方にちょっとむか、っとしながらも、「すごいなー」と聞き耳を立てているほかの客を尻目に、彼女はまったく動じることなく、

「ふーん、そんな程度なんだ。私なんかもっとすごいブランドよ」


と言ってのけた。

すごい!


桜陰→東大といえば、かの菊川玲女史と同じ道筋ではないか。それよりもすごいブランド、って、名古屋出身の私には想像も付かない。そんな学校ってあるんだろうか。。。。


店にいた皆、同じ思いだったに違いない、気が付くと誰もが彼女の発言を固唾を呑んで見守っていた。。。。。。。。


「私はねー」
(うんうん、なんだ?)

「イベリコ豚!」

「そう、浅草橋のイベリコ豚なのよ。ほーほっほー!」


はぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー?


いべりこぶた、ですか??


あまりの意外な答えに一瞬たじろぎながらも、店中のお客さんが背中を震わせ、目立たないように大笑いしていた。私も呼吸困難になりそうだった。


確かに、ブランド的には、灘+桜陰+東大x2<イベリコ豚 だよね。特に海外行ったら、灘も桜陰も誰も知らないよね。彼女の言うとおり。

浅草橋のイベリコ豚さん、

あなたは正しい! 

あなたは愉快!


もしまたお会いできたら、その時は私を弟子にしてください。

2007年5月15日

Realcom Software Innovation Lab.(SIL)開設!

本日より、SILという新しいインキュベーション事業を、シリコンバレーで行う。
詳細はこちらを参照。
http://www.realcom.co.jp/sil/index.html
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/topic/2007/05/15/10263.html

SILの設立記念日である5月15日は、私にとって大切な節目の日である。なぜなら、1994年の5月15日は私が初めてコンサルタントとしてシリコンバレーに渡った記念日であり、そのときの感動、「やるぞ」という思いがリアルコムの創業につながっているからである。

同じような感動、同じような思いをもって、「世界を変えていく」会社を立ち上げるEntrepreneurを一人でも多く作っていきたい、これが私がSILに託している思いである。

先週、私のシリコンバレーの友人(日本人、滞在歴15年近い)にSILの話をしたところ、以下のような反応が返ってきた。

「素晴らしいトライアルだと思います。ご健闘を期待します。ただ・・・・
この間、事業パートナーの米国人と話をしていて、今後成長を企図していくうえで、彼はもう日本人にこだわることはないじゃないか、という立場なんですね。

とにかく世界全体を眺めたとき、日本は世界でも特殊なほどに「新しいことをやろうとする優秀な人間が少ない」と。日本を含め世界を飛び回って、優秀な人材の発掘をしていた人間の感覚なんだな。

日本に手をかける暇があったら、リトアニアとかハンガリーとか、飛び切り優秀でハングリーな連中がたくさんいるのに仕事がない地域がたくさんあるぞと。

僕も非常に深く活動の価値は感ずる(非営利なら手放しで素晴らしい)のですが、それがどの程度、営利目的と合致するかは未知数という気がします。」


これに対する私の返信は以下。私の思いがこもっているので、このまま掲載しちゃいます。

「おっしゃること、同感です。しかしながら、ここは日本人として考えたときのジレンマですが、私はあくまでナショナリズムにこだわってビジネスをやろうと思っています。これは、シリコンバレーに長くいたゆえの私の感覚ですし、当然NPO的動きではないものとしてやっていきます。

たとえば、日本がサッカーワールドカップで優勝しようと思ったら、いちばんの近道はブラジル人を中心に優秀な外国人選手を帰化させて、「日本国籍代表だけど日本人代表?」のチームを作ることです(カタール他中東のオイルダラー諸国はこれに近い施策をとっています)。実際、過去および現在の日本代表のキープレーヤーには帰化選手が多くいます(ラモス、呂比須ワグナー、三都主、トゥーリオ)。だけど、こんなやり方は無しですよね。

純血主義とまで言いませんが、それでもあえて挑戦しなければ少なくとも日本のITインダストリーは死んでしまうと感じています。日本におけるこの業界、IPOして時価総額的には大成功した会社の中で「グローバルスタンダード」でみたら存在意義に疑問を感じる会社があまりに多い。私は日々日本国内のニュースを見ながら、アメリカの物まねしか考えないITベンチャーの経営者、それをはやし立てる市場関係者に嫌悪感に近い怒りを感じています。

パートナーの方の意見ははっきり言って近視眼的だと思います。この四半期、この1年で結果を出すためには、彼のやり方でよいと思います。しかし、それでは歴史は作れない。。。

(またサッカーの話で申し訳ないですが)三浦カズ選手は、高校生時代留学したブラジルで「ジャポネ」といわれ、馬鹿にされました。「ジャポネ」=「サッカーが下手なやつ」という意味です。彼が、40歳を過ぎても現役でいられる原動力の一つが、このときの悔しさ、「日本人でもいいサッカーが出来るんだ」という思いだと思っています。

パートナー氏が言うとおり、そして私も過去痛感したことは、シリコンバレーでは「ジャポネ」=「新しいこと、Creativeなことが出来ない、ITを通じたイノベーションが出来ないやつ」という図式が成り立っていることです。

私のライフワークのひとつは、この図式をぶち壊すことです。当然、ビジネスとしてやるので、赤字を垂れ流す慈善事業としてではなく、冷徹に収益を計算した上での動きです。

かの巨匠ゴッホ、実は生前で売れた絵はたったの一枚でした。それも画商であった弟の助けでようやく売れた一枚でした。それが、現在では多くの人の心を揺さぶる作品の主として賞賛されています。

私は、Entrepreneurもそうあるべきだと思っています。つぶれてしまっては元も子もありませんが、われわれの仕事の評価は、1年や3年-5年、あるいは10年レベルでされるのではなく、50年、100年レベルでされるべきだと思っています。そうした仕事をやっていきたい、それが私の思いです。

そのための一歩、おっしゃるとおり、いばらの道ではありますが、ビジネスとして成立させる自信はあります。ぜひ暖かく、かつ厳しい目で見守ってください。

7月にはそちらに行くと思いますので、ぜひそのときにお会いできればと思います。また、いろいろとお話をさせてください。」

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長く厳しい勝負になるが、歴史を作るため、がんばっていきたい。今日はその第一歩を記した記念すべき日である。

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