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事例紹介:石油資源開発株式会社
加藤 和之
(かとう かずゆき)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業
NTTコミュニケーションズにて、金融業界向けソリューションセールス・新規事業開発に従事。リアルコムでは、金融、製薬、石油業界等幅広い業界の大手企業にコンサルティングを実施。主にナレッジマネジメントによる現場の業務改革に精通。
組織を越えたノウハウ共有による技術課題の解決
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ビジネスコンサルティンググループ
加藤 和之
保安コミュニティでの活動 ~保安情報の「発信」から「活用」へ~
「災害・事故の防止」を図ることは、企業の社会的責任として、最も重要な課題の一つである。そのため、JAPEXでは5年ごとに計画する保安運動をはじめ、さまざまな保安強化の取り組みを行っている。中でも、災害・事故の事例やそれらにつながるヒヤリハット1)報告等の情報は、災害・事故予防のために軽微なものであっても全事業所に周知している。
1)ヒヤリハット:業務上ヒヤりとしたり、ハッとするなど「あわや事故」になりかねない事故寸前の危険な事例を指す
ただし、保安担当部署は社内掲示板を利用し、多くの情報を社内に発信しているものの、閲覧者を把握するまでには至っていなかった。
そこで、災害・事故等の情報を全社員で共有するとともに、社員同士が災害・事故の予防や対策のアドバイスをしあえる「場」として、「保安コミュニティ」を設置した。
例えば、新潟中越沖地震によりA作業場修復作業中に機器の転倒が発生した場合、初期対応後に担当事業所から本社経由で災害や対応内容等の報告を「保安コミュニティ」に掲載する。すると、全事業所の保安担当者に掲載通知が自動で送付される。これは、過去に同様の事例を経験した社員が、そのときに実施した対処方法等のノウハウを、その災害情報に紐付ける形でディスカッションやフィードバックとして残すことが期待されている。得られたノウハウは、二次対応や予防のために活用される。
このようにして、災害報告等をトリガーとし、全事業所での予防措置、対処方法等のノウハウが蓄積、共有できる仕組みが構築された。さらに、個々の報告書に対する閲覧状況が確認できるため、災害報告は5割以上の社員が閲覧していることも把握できた。
こうしてJAPEXの保安情報の利用形態は、これまでの一方通行の「発信」から、双方向型の「活用」へと進化し、災害・事故の撲滅、「ゼロ災」に新たな一歩を踏み出すこととなった。
「PassionKnowledge」の導入効果と今後の方向性
「PassionKnowledge」は導入直後から順調に利用され、部門を越えた社員間のコラボレーションが活発化するとともに、従来のメールのやり取りだけでは表に出なかった、有用な情報・ナレッジが蓄積され始めている。
さらに、コミュニティを関連する業務機能を包括する形で構成したことで、組織を越えた業務の進め方が全社的に浸透しつつある。例えば、情報インフラの違いが情報共有の障壁となっていた現業部門と研究所の技術者のコラボレーションが、コミュニティという同一の「場」に所属することで容易になった。こうして、「PassionKnowledge」はJAPEXの部門を越えたコラボレーションの促進と、知識・ノウハウの蓄積・活用を支える上で不可欠のシステムとなりつつある。
JAPEXでは、組織横断的な情報共有をさらに推進するために、既に次のステップに取り組んでいる。具体的には、?関連会社への展開、?他職種への適用の2つだ。現在、「PassionKnowledge」を利用できるのはJAPEX社員のみだが、対象ユーザーを探鉱・開発の業務に深く関わりのあるグループ企業社員にも拡大しようという取り組みが?である。?の取り組みは、現在の主に技術者を対象とした3つのコミュニティだけでなく、営業活動状況の共有や、現業部門から人事・総務・経理等スタッフ部門への問い合わせ対応等を目的として新たなコミュニティを立ち上げていこうというものだ。これが実現すれば、より多くのグループ社員の知識・ノウハウが蓄積、共有、有効活用され、JAPEXグループの競争力強化につながるだろう。
KnowledgeMarketを選んだ理由
50年にわたる事業活動を通して、当社は油・ガス田の開発・生産に関する多くのナレッジ(知識・経験・ノウハウ等)を蓄積してきました。ナレッジの共有や伝承は、当社の事業において非常に重要なテーマです。一方、ナレッジは個々人の属人的知識にとどまりがちであり、どうやって「組織知」として全社で活用するか、という点に頭を悩ませていました。時間と手間をかけてDB化したにもかかわらず、思ったほど利用されないというケースをよく耳にしたからです。したがって、ナレッジマネジメントシステムの導入にあたり、特に留意した点は、社員同士が気軽にコラボレーションし、個人の持っているナレッジを自然に流通・蓄積させる仕組みでした。これが、あまたあるポータル製品やナレッジマネジメント製品の中で、当社が、リアルコム社のKnowledgeMarketを採用した決め手となりました。さらに、ナレッジを提供する「人」、ナレッジを活用する「人」の情報が、それぞれのナレッジとハイブリッドで連携されている点が魅力でした。
既に、探鉱・開発コミュニティでは、技術者同士の活発なディスカッションがなされ、建設・操業コミュニティでも、中越地震の被害復旧のノウハウ等、有用な情報が共有されつつあります。
また、保安コミュニティでは保安報告の掲載をきっかけに、他事業所からのノウハウが提供される、という動きが始まり、過去の経験やノウハウが、蓄積、公開されるようになってきました。
社員が「PassionKnowledge」に日々アクセスし、自らナレッジを積極的に活用する。そして社員同士が知恵を出し合い業務を進めていく。このような自律的に創造力を高めていく組織を目指して、今後も一層邁進してまいりたいと思います。
石油資源開発株式会社
常務取締役
太田 陽一 様







