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事例紹介:オリンパスソフトウェアテクノロジー株式会社
林 宏典
(はやし ひろのり)
ジョージワシントン大学 プロジェクトマネジメント学科修了
総研系コンサルティング会社を経てリアルコムに参加。石油探鉱・開発、ソフトウェア開発などプロジェクト型産業でのナレッジマネジメントに強い。
情報・ナレッジ共有によるソフトウェア開発の課題解決力向上
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ビジネスコンサルティンググループ
林 宏典
組み込みソフトウェア開発は現在、ソフトウェアの肥大化と製品ライフサイクルの短縮という厳しい事業環境にさらされている。本事例では、"エンジニアの助け合いの場"の設置により、個々人の持つ知識・ノウハウや各プロジェクトでの成功・失敗事例を拠点を越えて共有し、ソフトウェア開発プロジェクトを迅速化したオリンパスソフトウェアテクノロジーの取り組みについて紹介する。
われわれが日々使っている電気製品の多くには、ソフトウェアが利用されている。例えばデジタルカメラでは、自動焦点のコントロールや、画像処理等の機能をソフトウェアが担っている。こうした、ハードウェア製品にあらかじめ組み込まれた専用のソフトウェアのことを「組み込みソフトウェア」と呼ぶ。
現在、組み込みソフトウェア開発は、ソフトウェアの肥大化と製品ライフサイクルの短縮という厳しい事業環境の変化にさらされている。デジタルカメラでは、ここ数年で動画撮影、夜景・逆光など複数の撮影モード、高感度、連写、手ブレ補正、顔認識などの多様な機能が追加されている。このために、各社とも開発プロセスの高度化と手戻り防止による、ソフトウェア開発のスピードアップが至上命題となっている。
本事例では、オリンパスソフトウェアテクノロジー(以下O-Soft)の、"エンジニアの助け合いの場"「O-Soft Plaza」についてご紹介する。「O-Soft Plaza」はイントラネット上に設置されたソフトウェア開発に関する情報・ナレッジの共有の場である。O-Softでは「O-Soft Plaza」設置直後からエンジニアの活発なやりとりが始まり、個々人の持つ知識・ノウハウや各プロジェクトでの成功・失敗事例が拠点を越えて共有され、ソフトウェア開発上の課題の迅速な解決や手戻り防止という効果があらわれた。また、社員間の活発な交流が促進されたことで、企業としての一体感の醸成にも成功しつつある。
厳しさを増す事業環境と拠点分散の問題
O-Softは、精密機械大手のオリンパスグループのソフトウェア部門として、ERPやITサポート等、様々なソフトウェア業務を行っていたオリンパスシステムズより、製品に組み込み、付属させるソフトウェア関連の開発部門を切り出して2006年7月に設立された。主な事業は医療、映像・情報、ライフサイエンス、工業関連分野の製品の組み込みソフトの開発、及び臨床検査システム、輸血製剤管理システム等のアプリケーション・システムの開発である。
近年のデジタルカメラやICレコーダなどのオリンパス製品の高機能化で、製品に組み込まれるソフトウェアの肥大化が進む一方、製品ライフサイクルの短縮化のしわ寄せがソフトウェア開発期間にも来ていた。加えてハードウェアの仕様が計画通りに固まらないことが、これに拍車をかけていた。
その上、O-Softでは開発拠点が、初台本社、八王子の二箇所、幡ヶ谷、三島に分散している。「課題にぶつかった際、相談できるのは部門内だけ」「社内に高いスキルを持つ専門家が存在するのに、他部門に知られていない」との声が社員から聞かれた。拠点を越えた人のつながりが弱い、様々な技術情報やノウハウへのアクセスが難しい部門があるなどの事情がソフトウェア開発の迅速化をする上でネックとなっていたのだ。また拠点の分散は、設立から日が浅いO-Softにとって経営トップのビジョンや新会社の方針・ルールを各部門に徹底する上での障壁ともなっていた。







