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村田聡一郎

村田 聡一郎
(むらた そういちろう)

プリンシパルコンサルタント
東京都立大学法学部卒、ライス大学MBA
外資系IT企業勤務、米国本社駐在を経てリアルコムに参画。ナレッジマネジメントコンサルタントとして、国内外の大手企業のナレッジマネジメントプロジェクト・企業変革プロジェクトに参画。主にIT系、グローバル、営業系のナレッジマネジメントに精通。

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世界のナレッジマネジメントはさらに「人中心&成果志向」へ

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ビジネスコンサルティンググループ プリンシパルコンサルタント
村田 聡一郎

6.「データ分析によって得られるナレッジ」による競争力強化
(Competing on Analytics & Data-derived Knowledge)

 ナレッジには、「人」が起源となるナレッジの他に、「データ分析によって得られるナレッジ」がある。例えばもはやマーケティングの古典となった、「スーパーマーケットではオムツとビールを同時に購入する顧客が多い(ので隣同士に陳列すると売上が伸びる)」といったものが後者に相当する。このセッションのスピーカーであるダベンポート教授によれば、「法規制による独占」「画期的な製品あるいはサービス」「世界中へのリーチ」「独自技術」による差別化はすべて難しくなりつつあり、競争力の源泉となりうる候補は「データ分析によるナレッジ」くらいしか残っていない、とのこと。

 これには時代背景も影響している。ITが安価になって大量データの処理能力が使いやすくなっていることに加え、ERPやPOS、また Webサイト経由でのアクセスなどを通じ、データ分析に使える生データが入手しやすくなっていることから、経営者がその気になりさえすればデータ分析を行う環境は整ってきている。クレジットカード業界やダイレクトメール業界など既にデータ分析が一般的になっている業界も一部にはあるが、その他の業種では従来、データ分析はコストがあまりに高い割にその示唆はあてにならない、と見なす経営者が多かった。

 しかし顧客志向、現場志向が一段と強まる現在のビジネスにおいて、経営者のカンと経験に頼る企業と、"現実"の反映であるデータ分析に基づいた経営判断を行う企業の差は開きつつある、とダベンポート教授は主張していた。

7.全体を通じて

 ここまで紹介した5つのセッションの他、参加者によるパネルディスカッションなどもあり、1日半のワークショップはあっという間に過ぎていった。ワーキング・ナレッジの名に恥じず、どのセッションも"ビジネスの現場で役立つ"ことを明確に意識したものとなっており、退屈なセッションは まったくなかった。

 また、セッションの合間の休憩時間や朝昼晩の食事時にも参加メンバー同士の熱心な情報交換が続いたが、彼らとの会話を通じ、企業の悩みは日本でも 海外でもさほど違いはないという事実が確認できたことも大きな収穫であった。次項のダベンポート教授へのインタビューにもあるが、「人中心のKM」への関心の高まり、ベビーブーマー団塊の世代の大量退職問題、などはまさに日本企業と共通である。

 このプログラムに参加している日本企業は今のところ富士ゼロックス社とリアルコムの2社のみであるが、関心のある方はぜひ参加してみることをお勧めしたい。