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Autumn 2005 Vol.7
村田 聡一郎
(むらた そういちろう)
プリンシパルコンサルタント
東京都立大学法学部卒、ライス大学MBA
外資系IT企業勤務、米国本社駐在を経てリアルコムに参画。ナレッジマネジメントコンサルタントとして、国内外の大手企業のナレッジマネジメントプロジェクト・企業変革プロジェクトに参画。主にIT系、グローバル、営業系のナレッジマネジメントに精通。
「日本発のKMソリューションは米国企業にも通用する」
~ダベンポート教授 単独インタビュー~
2005年4月29日、リアルコムではトム・ダベンポート教授への単独インタビューを実施した。世界のKMトレンドを知り尽くしたダベンポート氏の目にリアルコム・ソリューションはどのように映ったのだろうか?
トム・ダベンポート(Thomas H. Davenport)
米国バブソン大学経営大学院教授。KM研究における世界的なリーダーのひとり。
「ワーキング・ナレッジ~知を生かす技術(生産性出版、 2000年)」をはじめとする10の著書がある。1980年ハーバード大学で博士号を取得後、シカゴ大学、ハーバード大学、テキサス大学、ボストン大学などで教鞭を取る一方、アーンスト&ヤング、マッキンゼー、アクセンチュアなどのコンサルティングファームでKMや企業変革に関する研究所のトップを歴任している。2003年には米国Consulting Magazine誌の「世界のトップコンサルタント25人」に選ばれた。
URL: http://www.tomdavenport.com/
リアルコム(以下R)、 ダベンポート氏(以下D)
- R
- リアルコムの概要資料及びケーススタディをご覧いただきましたが、リアルコムが注力している「人中心、プロセス埋め込み、成果志向のKM」についてどう思われますか?
- D
- その方向性については賛成です。まず「人中心」についてですが、このところアメリカやヨーロッパでは「コレクションよりコネクション」、つまりナレッジの収集より人と人を結び付けることのほうに関心が集まりつつあります。長年にわたり、多くの企業が、ナレッジの収集と蓄積に力点をおいたKMプロジェクトの失敗を経験してきたからです。ほとんどの企業において「ナレッジ」という言葉はまだOKですが、「ナレッジマネジメント」という言葉はもはや禁句になりつつあります(笑)。私たちも「ナレッジ・シェアリング」とか「ナレッジ・ ネットワーキング」という表現を使うことが多いです。また最近では「ナレッジワーカーの生産性向上」が注目を集めています。ですから、例えばもし私がソフトウェア会社の経営者だったとすれば、自社の製品を「ナレッジワーカーの生産性向上のためのソフトウェア」と表現するでしょうね。現在リアルコムが行っているのもこれですよね。
- R
- 2番目のポイント、「業務プロセスへの埋め込み」※についてはいかがでしょう?
※ナレッジマネジメントを単なる「情報共有」として単独で実施するのではなく、業務上必要なプロセスに組み込んで実施することで、業務を行うと自然にKMも推進されるやり方 - D
- もう既にやっておられるかもしれませんが、ある特定の分野や業界におけるナレッジワーカーの課題解決に特化して、KnowledgeMarketを多少カスタマイズしたものとコンサルティングをセットで提供していくのがよいと思います。製薬会社における新薬の研究者、銀行における投資業務の専門家、法律事務所における弁護士、といったナレッジワーカーの生産性を向上させるには、彼らの仕事の「プロセス」から改善しなければなりませんが、それらは業界や業種ごとに毎回異なりますから、多少のカスタマイズが必要になるのです。
- R
- 実はリアルコムでは、いくつかの重点分野を決め、それに特化したソリューションを提供することを始めたところなんです。例えば「失われつつあるナレッジ」への取り組みです。日本では最近、「西暦2000年問題」ならぬ「2007年問題」という言葉が聞かれるようになっています。 電力やエンジニアリングなど技術者中心の業界が、1947年から50年生まれのいわゆる団塊の世代の技術者の定年退職に伴って貴重なナレッジが大量に失われつつあることに気づき、「何か手を打たなければ」と考え始めているのです。
- D
- 全くそのとおりです。

- R
- この「失われつつあるナレッジ」問題への対応を「技術の継承プログラム」と呼んでいますが、リアルコムでは、例えば各社に「退職者コミュニティ」を組織することを考えています。日本に電力会社は9社しかありませんが、そのいくつかは既にリアルコムと組んでプロジェクトを始めたか、その途上にあります。
- D
- 非常に興味深いですね。このカンファレンスでも繰り返し語られているように、アメリカでも従業員の 退職に伴って「失われるナレッジ」の保持が非常に大きな課題になっています。したがってもしリアルコムが同じことを米国でも提供できれば、電力、公共、石油化学などの業界で大きなチャンスがあると思いますね。
- R
- 「失われるナレッジ」についての議論そのものは、定年退職者に限らず、転職やレイオフも含めた従業員の退職全般についての話だという印象を受けていたのですが?
- D
- そのとおりなんですが、そうした「伝統的な」業界においては過去20年以上にわたり採用を抑制していたため、定年退職に伴って失われるナレッジの問題が特に大きいのです。例えば、NASAでは今後5年以内に、社員の60%が定年退職の資格を得るといいます。大変な話ですよね。
- R
- KnowledgeMarketのKnow-Who機能についてはどう思われましたか?
- D
- 非常に興味深いアイデアだと思いますね。
- R
- 何かしら似たようなものをご存じでしょうか?
- D
- 唯一思い浮かぶのはタシット・ナレッジ・システムズ社です。彼らは従業員が作成したEメールやドキュメントをすべて分析し、キーワードを見つけることによってエキスパートを発見しようとしていました。詳しくは知りませんが、もう10年くらいやっているのではないでしょうか。
(次ページへ続く)
トム・ダベンポート教授主宰、ワーキング・ナレッジ・リサーチ・プログラムの
・ワークショップ参加報告







