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長谷川玲

長谷川 玲
(はせがわ れい)

事業開発グループ
東京工業大学卒業後、ドイツ系、米系ソフトウェア企業にて、プロダクトマネジメント、製品マーケティング等に従事。リアルコムではKnowledgeMarket製品のコミュニケーション力強化にむけてパートナリングやマーケティングを担当。

窪田誠

窪田 誠
(くぼた まこと)

コアテクノロジーグループ プリンシパルエンジニア
中央大学卒業後、国内大手SI会社、外資系ウェブサイトコンサルティング会社を経てリアルコムに参加。リアルコムではKnowledgeMarketの企画・設計・開発・顧客サポートと一連のソフトウェアライフサイクルの中心メンバーとして活動。

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コミュニケーション・ツールの進歩がもたらす知識の共鳴と創発
~企業内インスタント・メッセージングの活用~

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事業開発グループ 製品企画シニアスタッフ
長谷川 玲
コアテクノロジーグループ プリンシパルエンジニア
窪田 誠

MSNメッセンジャーに代表されるインスタント・メッセージング(IM)。現在、プライベート目的にとどまらず、企業内での業務目的の利用も急増している。本稿では、コミュニケーションの高度化が知識の共鳴を引き起こし、新たな知識の創発を構築していく過程について論じるとともに、そのプロセスにおけるIMの有用性と活用法を検討していく。

1. コミュニケーション・ツールの多様化

コミュニケーション手段の発展

 2005年3月に発行された本誌「VISION」第5号でも紹介したとおり、企業内外におけるコミュニケーション・ツールの高度化が進んでおり、ここ10年に限っても、技術革新に伴って大きな変化を見せている。

 電話やFAXといったアナログのコミュニケーション・ツールから、携帯電話のようなモバイル・ツールによって場所にとらわれないコミュニケーションが可能になり、続いてEメールといった電子的なツールへと発展してきた。また、Webページやブログのように、個人が情報発信を行ったり、コミュニケーションの「場」を作ったりすることができるようになった。さらには、リアルタイム性を持ったコミュニケーションを可能にするインスタント・メッセージング(以下IM)、文字情報に加え音声・動画を交えた通信を可能にするIP電話やWeb会議といった、多種多様なツールが生まれてきている。

 各ツールにはそれぞれメリットとデメリットがあり、それぞれのメリットを活かすように融合させて使うことが、今後ますます重要になってくるだろう。

知識創造と、その触媒としてのコミュニケーション・ツール

 ここではまず、コミュニケーション・ツールの進歩と高度化による恩恵について考えてみたい。

 新しいアイデアや知識は、さまざまな知見がぶつかり合う過程で生み出される。人と人とのコミュニケーションを通じて、より多くの人や情報に触れることが可能になり、今まで持っていた知識に新たな知識が付加されたり、融合や共鳴といった相互作用が起こったりする。その結果、新たなナレッジの創発が促進される(図1)。例えば、普段の生活の中でも、雑誌を読んだり人と話している中で、ふと過去の出来事を思い出したり、新しいアイデアに「気づく」ことはよくあることだ。

図1:コミュニケーション手段と知識高度化の関係

 このように、自分が既に保有している知識に新たに情報が加わることで、雑多な知識や概念を関連づけたり、体系立てて再構築したりすることができる。「新しい知識」は、こうした処理を経て生まれてくるものだが、その過程においては、コミュニケーションが触媒のような役割を果たす。

 図2を見てほしい。二者が同じ事象を経験し、そこから得た知識を形式化(例えば言語化、図示、行動など)すると、各人の主観や個人的なこれまでの経験あるいはスキルのような部分でもって、まったく異なる形になる。Aは「円である」といい、Bは「長方形である」という状態である。ここでAとBはコミュニケーションを通じて、同じ事象について自己がもつものとは別の視点を得られ、そして「実は円柱であった」と気づく。コミュニケーションによって知識が高度化される局面において、活用できる技術の1つとしてのコミュニケーション・ツールは有益であることがわかるだろう。  

図2:コミュニケーションィよって知識が高度化されるイメージ図

 知識創造の触媒としてのツールが進化するということは、知識の高度化のスピードを速めたり、高度化の密度を高めたりすることであり、また既存の価値観や閉じた環境では生み出されなかったような知識の創造へとつながる。  

 以下では、こういったツールのひとつであるIMを取り上げ、その活用のメリットおよび注意点とともに、ナレッジ創発型組織への転換やワークスタイルがどう変革していくのかという視点を含めて考えていく。