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竹内克志

竹内 克志
(たけうち かつし)

CTO(最高技術責任者)
2003年5月にリアルコム入社。CTOとして製品開発全体の責任を持つ。HAKONE for Notesをリリースし、既存の Knowledgeを有効に活用できる製品を製品ラインに加えた。世界で通用する製品を開発するために国際化機能を強化し、開発チームもグローバルな体制を目指している。

石川雄樹

石川 雄樹
(いしかわ ゆうき)

プリンシパルエンジニア
一橋大学経済学部卒
大手SIerを経て、2001年にリアルコムに参加。KnowledgeMarket開発のプロジェクトリーダーをほぼ一貫して務めるとともに、大手銀行、大手電器メーカー向けの開発・導入プロジェクトリーダーを手がける。

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「人中心」のナレッジマネジメントアプリケーションのあるべき姿
~『人』中心のポータル導入手法と導入プロセスの具体例~

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コアテクノロジーグループ CTO(最高技術責任者)
竹内 克志
コアテクノロジーグループ プリンシパルエンジニア
石川 雄樹

 リアルコムの製品群は、「ナレッジマネジメントを通じた学習する組織への変革」を実現するというコンセプトをベースに設計され、製品の機能アップを重ねるごとに、よりコンセプトに近いツールを目指して拡張してきた。リアルコム設立から4年間、現在に至るまで常に進化してきたKnowledgeMarketと、2004年5月にリリースされたHAKONE for Notesの2製品について技術面から紹介する。

 20世紀末に起こったIT革命の波は、あらゆる産業・企業に「情報処理の劇的な効率化」という恩恵をもたらした。文書管理システムのような単純なシステムはほとんどの企業に浸透し、情報の電子化が加速度的に進んだ。しかし、蓄積された膨大な情報が有効に利用されていないという問題は、未解決のまま21世紀を迎えようとしていた。折しも、企業の次世代情報系システムとして「ナレッジマネジメント」が注目を浴び始めた。ナレッジマネジメントとは、情報を蓄えるだけではなく、蓄えられた情報の企業内での共有を促進することで、企業全体の生産性を向上させる経営手法である。2000年に最初のバージョンの開発が始まったWebアプリケーションソフト「KnowledgeMarket」 も、ナレッジマネジメントを実現することを目的としていた。ただし、単なる情報共有ではなく、競争力強化のための企業改革につなげるという、真のナレッジマネジメントを念頭において開発されたため、2つの重要な特徴を備えていた。

 一つは、不安定な新しい技術でなく、すでに広く使われている技術を使い、人の介入を前提とした半自動システムとして設計されたことである。当時、他社で開発されていたナレッジマネジメント関係の多くのソフトウェアは、文書の意味解析などの新しい技術を用いて自動化を目指していたが、技術の未成熟さもあり、期待する結果には結びついていなかった。もう一つの特徴は、人と人との関係が知識(ナレッジ)を有効利用するために最も重要な要素であると位置づけて、それが製品アーキテクチャに反映されたことである。すなわち、専門的知識を持った人を簡単に見つけ出し、その人の知識を有効利用する仕組みが、製品に内包されている。

 本稿では、このKnowledgeMarketの設計思想とその技術を解説する。

1. KnowledgeMarketの特徴

 KnowledgeMarketには、Q&A、ライブラリ、プロジェクト、Know-Whoの4つのモジュールから構成されている。Q&Aは「質問・回答型の掲示板」、ライブラリは「情報発信型の掲示板」、プロジェクトは「プロジェクト単位の掲示板」と位置づけられる。これらの使い勝手は、よく使われている掲示板用のソフトウェアと大きくは変わらない。KnowledgeMarketは、Q&A、ライブラリ、プロジェクトとユーザーにわかりやすい機能に特化することにより、導入当初からすぐに使うことのできるシステムとしてまとめられている。

 第4のモジュールであるKnow-Whoは、以上3つの機能を束ねる形になっており、KnowledgeMarketの特徴を形成している。Know-Whoモジュールは、参加している個々のユーザーに関する情報を提供する機能で、これを使うと、組織情報や電話番号などの通常のディレクトリに含まれる情報に加えて、興味のあるカテゴリや、KnowledgeMarket内での活動状況、例えばQ&Aへの質問数やライブラリへの投稿数などを知ることができる。また、Know-Whoから、そのメンバーが投稿した文書へも簡単にたどり着くことが可能だ。このように、KnowledgeMarketには、情報を流通させ、利用を促進するための仕掛けが用意されており、使えば使うほど価値の高い情報が提供されることになる。

履歴の収集と分析

 KnowledgeMarketの基礎となる機能は、「履歴の収集」である。効率性を重視する多くのアプリケーションは、作成、更新履歴の保持のみで、閲覧履歴を収集するようには設計されていないが、KnowledgeMarketは、いつ、誰が、どの情報にアクセスしたかという情報を収集して保持している、これを有用な情報のあぶり出しや、Know-Whoのような切り口での情報の提供に利用している。

 KnowledgeMarketが収集する、文書の作成や閲覧の履歴を使うと、他の多くのアプリケーションでは困難な、個々のメンバーの活動に関する分析をすることができる。活動履歴情報を使えば、「KnowledgeMarketへのアクセスが最も多い月は?」というような統計的な分析に加えて、「最も頻繁に読まれている文書を作成した人は誰か?」といった、ピンポイントでの分析も行うことができる。