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Spring 2004 Vol.2
中澤 徹
(なかざわ とおる)
製品企画ディレクター
東京大学大学院工学系研究科 修士課程修了
戦略系コンサルティング会社を経て、リアルコムに入社。
クライアント企業への情報共有・企業変革コンサルティングプロジェクトでの経験をベースに、製品企画担当としてKnowledgeMarketに加え、Notes関連製品(HAKONE for Notes、Notes Watcher)のプロダクトマネージャーを務める。
Notes/Dominoでの情報共有:その限界と解決策
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プロダクトグループ 製品開発ディレクター
中澤 徹
4. Notes/Dominoユーザー企業の情報共有改善事例
ららぽーとの「情報の輸出入」
株式会社ららぽーと(以下ららぽーと)は、TOKYO-BAYららぽーとをはじめとして、13のショッピングセンターの運営事業(以下SC運営事業)と、スヌーピータウンショップでのキャラクター商品の企画・販売をするリテール事業を行っており、SCオペレーターとして、国内トップレベルのノウハウを誇っている(図4)。

近年ショッピングセンター事業では、他の不動産事業と同様、不動産の所有とSCの運営が分離しており、ららぽーともこれまでのSC運営ノウハウをコアな無形資産として、SC運営事業に特化しようとしている。これまでは自社保有のSCの所有・運営・管理を一貫して行うことが中心であったが、近年では郊外型大型ショッピングセンターの受託運営が増加している。拠点数の増加に伴って、スタッフが地理的に分散した拠点に散らばってしまい、情報交換が少なくなっていたため、コアな資産であるはずの運営ノウハウの希薄化が進んでいることに強い危機感を持っていた。SC運営事業会社として競争力を高め、生き残っていくためには情報共有によるノウハウの蓄積・活用が緊急の課題であったのである。
ららぽーとでは、Lotus Notes/Dominoを全社に導入しており、テナント契約情報や営業日報などの定型的な情報の蓄積に利用していた。情報共有のプラットフォームは既に出来上がっていたのである。しかし、主に本部―SC間もしくは個別SC内でのやりとりにとどまっており、肝心のSC間での双方向でのノウハウの共有を促す仕組みになっていなかった。また、どのデータベースに情報があるかわからない、データベースをチェックしていないと新しい情報が得られないなど、蓄積された情報の取得効率上の問題や、テナントとの交渉スキルやキャンペーン成功のコツなど、文書化できない知識が流通しないというNotes/Dominoでは解決できない根本的な課題も抱えていた。
そこで、利用状況分析と情報共有ROI分析を行い、「SC間の交流を促し、人を中心としたSC運営管理ノウハウの効率的な流通・蓄積・再利用を実現すること」を目的と設定して、REALCOM KnowledgeMarketを導入した(図5)。

既に定型的な情報の蓄積などでNotes/Dominoを利用しており、全社プラットフォームとして浸透していたため、いかに新しいシステムを違和感なく使ってもらうかがひとつのポイントであった。そこでららぽーとでは、Notesクライアントのワークスペースからデータベースの1つとしてKnowledgeMarketを立ち上げるように連携させ、Notes/Dominoのアドオン拡張機能と位置付けることで、スムーズな利用開始を狙った。また、乱立していた社内の掲示板はすべてKnowledgeMarketに集約するとともに、Notes/Domino上の営業日報などの既存のデータベースも検索対象とする統合検索機能を導入することで、KnowledgeMarketをワンストップの情報ポータルとして活用している。
同時に、運用面での定着活動を精力的に展開した。推進事務局のメンバーは、まず各SCや本社各部門を回り、キーマンに対し、「なぜ改革するのか、具体的に何をやってほしいか」という説明を何回にもわたって行った。次は、いかに現場の社員全体を巻き込むかである。SCにいる社員は常にPCの前にいるとは限らない。そのため、具体的にどういう情報を誰と誰が共有するのか、それがどういう意味があるのかを説明し、必要性を認識してもらった上でシステムを使ってもらえるようにした。
また、改革を早急に進めるのではなく、まずはSC全体向けキャンペーン情報の通知などできるところから着手し、徐々に適用範囲を広げていった。使い方がわからないユーザーがいる場合は、コミュニティのリーダーがその場に出向いて運用ルールも含めて教えるなど、導入後も定着のためのサポート活動を継続している。現在では、KnowledgeMarketに情報を入れておけば確実に社員に届くと認識されている。
Notes/Dominoでは、文書ごとの閲覧ログなどの詳細な利用状況の把握が難しく、システムの効果やどういう情報を誰と誰が共有するのかという初期設計を検証できない。KnowledgeMarketの導入により、この検証が可能になった(図6)。

実際、部門間での情報の「輸出入」を見てみると、運用開始2ヶ月の段階でもすでにSC間での情報共有が行われていることが可視化されている。また、メールによる添付ファイルのやりとりの代わりにKnowledgeMarketを利用して共有するようになったため、Dominoサーバーのメールの容量が劇的に減るという副次的な効果も出ている。







