- 現在位置
- トップ > 事例・レポート > ホワイトペーパー 『VISION』 > Notes/Dominoでの情報共有:その限界と解決策
Spring 2004 Vol.2
中澤 徹
(なかざわ とおる)
製品企画ディレクター
東京大学大学院工学系研究科 修士課程修了
戦略系コンサルティング会社を経て、リアルコムに入社。
クライアント企業への情報共有・企業変革コンサルティングプロジェクトでの経験をベースに、製品企画担当としてKnowledgeMarketに加え、Notes関連製品(HAKONE for Notes、Notes Watcher)のプロダクトマネージャーを務める。
Notes/Dominoでの情報共有:その限界と解決策
------------------------------------------------------
プロダクトグループ 製品開発ディレクター
中澤 徹
3. Notes/Dominoの限界を超える ~成功に向けた方法論・ステップ~
成功に導くためには、人中心で情報の流通・活用に焦点を当てた全体最適を実現する統合ツールを用いて、Notes/Dominoを補完する必要がある(コラム「Notes/DominoとKnowledgeMarketの連携」も参照されたい。)
しかし、システム面による改善効果だけでは、なかなか成功につながらないケースも多い。なぜなら、情報系システムと、そのシステムをいかに業務として運用するかは「車の両輪」だからである。現状で情報共有がうまく行っていないとすれば、運用の仕方にも問題がある可能性が高い。情報共有関連のプロジェクト(ナレッジシステム、企業情報ポータルなど)が、システム構築案件として、単純に要件定義→システム構築→カットオーバーと進んでいないだろうか。システム・運用両面で、現状の課題把握とあるべき姿をベースにしたステップを用いることが、成功に向けた方法論なのだ(図3)。

ステップ1 Notes利用状況分析(システムの棚卸し)
膨大な情報が玉石混交の状態にあり、必要な情報が探せないという課題があったことを思い起こしていただきたい。この状態でシステムのみを変更しても、新システムが使われなくなる可能性がある。Notes利用状況分析では、UsageなどNotes/Dominoの管理ツールから得られる定量情報と、データベース管理者などへのアンケートから得られる定性情報を分析し、次のような観点で現状の情報資産を棚卸しを実行し、課題をあぶり出す必要がある。
●データベースの利用目的・共有範囲
●利用頻度
●情報の有用性
●今後の新規情報の追加の有無、など
これらの情報が、あるべき姿を考えるためのインプットとなる。
ステップ2 情報共有ROI分析(業務・運用の棚卸し)
情報共有は、何らかの業務遂行や課題解決のための実現手段であって、情報を共有すること自体が目的ではない。システムを見直すに当たり、どの組織のどの業務を情報共有により改善していくかを見直すことで、目的を再確認し、改善の効果を測定可能なものにすることができる。情報共有ROI分析では、社内の様々な業務の改善機会を、「改善機会の大きさ」「戦略的重要性」「実現の容易性」の3つの観点から優先度をつけ、改善すべき対象組織・業務を絞り込んでいく(情報共有ROIについては、REALCOM Quarterly Vol.1を参照されたい。)
ステップ3 システムデザインソリューション(システムの再設計)
Notes利用状況分析によって棚卸しした現状の課題と、情報共有ROI分析結果に基づいたシステム構築の目的に沿って、構築すべきシステムの全体像を設計していく。部門間での情報共有を促進するためのアクセス権の見直しや新システムの導入、データベース横断の検索や、利用状況の把握など、課題・目的に合わせてシステム要件を設計する。
ステップ4 パイロットソリューション(業務・運用の再設計・初期検証)
設計したシステム・運用を全社に一括で展開する手法にもメリットはあるが、パイロットソリューションを通じて特定組織・業務で小さく先行導入を行うほうがリスクを減らすことができる。実際に、設計したシステム・運用フローを、パイロット対象の組織・業務で3~6ヶ月間運用してみるのだ。特に運用フローは、企業の風土・文化に依存する部分も大きいため、企業ごとに成功パターンを見極める必要がある。また、運用して初めて浮かび上がってくるシステム要件もある。これらのフィードバックを得て、全社展開していく手法が成功の近道であることが多い。
このように、システム・運用両面でのアプローチが成功の秘訣である。では具体的に、Notes/Dominoのユーザー企業がどのように情報共有業務を改善していったか、そこでどんな苦労があり、どう障害を乗り越えたのかを見てみよう。







