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中澤徹

中澤 徹
(なかざわ とおる)

製品企画ディレクター
東京大学大学院工学系研究科 修士課程修了
戦略系コンサルティング会社を経て、リアルコムに入社。
クライアント企業への情報共有・企業変革コンサルティングプロジェクトでの経験をベースに、製品企画担当としてKnowledgeMarketに加え、Notes関連製品(HAKONE for Notes、Notes Watcher)のプロダクトマネージャーを務める。

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Notes/Dominoでの情報共有:その限界と解決策

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プロダクトグループ 製品開発ディレクター
中澤 徹

Lotus Notes/Dominoが当初想定していた情報共有の姿と、現代のビジネス環境が要請している条件との間にギャップが広がってきている。その結果、Notes/Dominoユーザーは情報共有をする上で様々な悩みを抱えている。本稿では今求められている情報共有の形を考察し、なぜNotes/Dominoだけではそれが実現できないのか、その原因と新たに求められるシステム要件を明らかにする。同時に、これまでの資産を活用しながら、経営効果につながる情報共有を実現するための具体的解決策を、先進事例とともに紹介する。

1. グループウェア界の巨人 Lotus Notes/Domino

 グループウェア界の「巨人」であるLotus Notes/Dominoは、Ray Ozzie氏を中心にIris社で開発され、ロータス社での成長を経て、現在はIBM社により開発・販売されているソフトウェアである。1989年に出荷が開始されて以来、1997年にR4.6、1999年に5.0、2002年に6.0、2003年に6.5とバージョンアップを重ね、今後も7.0、8.0とリリースが予定されている。

 Notes/Dominoは、"Collaboration made possible through shared, secure, online databases"をコアコンセプトとし、物理的に離れたチームであってもチームメンバーが情報共有し協働できるプラットフォームとして、設計・開発された。その特徴は大きく2つある。

 1つ目は、柔軟にかつ迅速に開発できるプラットフォームを提供し、エンドユーザーコンピューティング(EUC)を実現したことである。Notes/Dominoを使えば、あまりプログラミングに詳しくない人でも、文書型データベースを使ったアプリケーションが開発可能である。そのため、システムの利用者に近い人が、自分の業務プロセスの進化に合わせて、システムを柔軟に進化させることが可能になった。勤怠管理・旅費申請などの全社的な業務アプリケーションを開発したり、部門ごとの営業日報管理データベースなどを構築したりしている読者も多いのではないだろうか。

 2つ目は、メーラー、スケジューラーなど日々の業務に不可欠な機能をパッケージ化し提供したことである。これらの機能セットをもったNotes/Dominoが90年代に急速に浸透した結果、Notes/Dominoが「グループウェア」というジャンルを新たに作り出してきたと言える。

 これら以外にも、モバイル・分散環境を実現するデータベースの複製機能などを持った完成度の高い情報系ソフトウェアとして、Notes/Dominoは極めてユニークなポジショニングを築いてきた。IBMの強力な販売戦略とも相まって、1990年代に急速に浸透し、現在ではグループウェア市場において50%に近いシェアを獲得している(図1)。

図1:Lotus Notes/DOMINOの市場シェア

Notes/Dominoは万能か?

 Note/Dominoの企業内での用途は、大きく次の3つに分類できる(図2)。

 「(1)コミュニケーションプラットフォーム」は、グループウェアとしての基本機能であり、Notes/Dominoは必要十分な機能を用意している。「(2)業務アプリケーション」は、前述したNotes/DominoのEUCを実現できる開発プラットフォームとしての真価が発揮される部分である。本稿の対象である「(3)情報共有」は、製品のコアコンセプトが対象としている分野であり、一番多くのユーザーが利用目的としている。しかしながら、情報の利用、提供の両面で、ユーザーは多くの課題を抱えているのが現状である。

 なぜ、このような課題がでてきているのか? それは、現代のビジネス環境が要請している要件が、Notes/Dominoが想定していた情報共有のあり方から大きく変わってきており、十分に対応できていないからである(詳細は、巻末コラム「ポータルはすべてを解決するのか?」を参照されたい。)

図2:Notes/Dominoの3つの主な用途