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林宏典

林 宏典
(はやし ひろのり)

ジョージワシントン大学 プロジェクトマネジメント学科修了
総研系コンサルティング会社を経てリアルコムに参加。石油探鉱・開発、ソフトウェア開発などプロジェクト型産業でのナレッジマネジメントに強い。

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研究開発の生産性革新を加速する組織構造・空間構造

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ビジネスコンサルティンググループ
林 宏典

協力・監修:日揮株式会社
第二プロジェクト本部プリンシパルアーキテクト
糀谷 利雄 様

 ある医薬品メーカーにおける研究者の一日を考えてみる。0次情報の流通を増やすといっても、実験室内での作業は集中しているため会話は少なく、改善余地が少ない。(図2

図2:研究者の1日

 そこで、会議やオフィス作業を行う居室、および実験室と居室の移動に着眼することで、情報を伝えたい人と欲しい人の出会いを創出することができる。例えば、居室分散型の配置を、オープン型や集中型に変更することで、研究者同士の会話の機会が増えるのである。(図3
 また、トーマス・J・アレンの研究にある距離とコミュニケーションの量の関係を考慮すれば、近しいテーマを扱う研究者を集中型レイアウトに配置することで、0次情報の流通量はさらに増えることとなる。(図4

図3:実験室と居室のレイアウトの違いによるコミュニケーション量
図4:距離とコミュニケーション量の関係

 しかし、残念ながらどれほどの工夫を盛り込んだとしても、空間構造だけでは十分な効果は得られない。組織構造が伴っている必要がある。例えば、研究者の偶発的な出会いのために設置した打ち合わせコーナーにいることが怠けているように見える風土・文化では逆効果であるし、頑ななピラミッド型の組織であれば、横の連携など必要なく、せっかくのウェブ型のレイアウトも機能しない。そのような組織には廊下は通るだけという発想に基づいた配置の方が適しており、決まった手順で大量にこなすだけならば効率はよい。

図5:ビューロクラシー(ピラミッド型)組織に適したレイアウト
図6:Web型組織に適したレイアウト

 リアルコムが、あえて空間と組織の概念に口出しするのであれば、バーチャルな出会いやコミュニケーションの重要性を主張させていただきたい。0次情報の流通が重要であることに異論はないが、研究開発がグローバル規模で行われ、M&Aで次々と新たな仲間が加わる昨今のビジネス環境において、もはやすべての会話をFace to Faceで行うことは限界に達している。メールやテレビ会議はこの制約を取り払う強力な武器であるが、誰と会話すべきか?という問いに自明な最適解が得られない状況においては、Expertise Location(専門性の所在把握)の問題が残る。Know-WhoやCommunity of Practice、Q&Aコミュニティといった考え方はこの解決方法の代表例である。

 バーチャルな場(我々はコミュニティと呼んでいる)の設計・運営方法にも、偶然の出会いや開放感を演出する空間設計のように、様々なノウハウが存在し、お客様の状況に合わせたプロフェッショナルサービスとして提供させていただいている。

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 開発競争など厳しいビジネス環境の中、研究開発の生産性革新を恒常的な課題として改善を試みられている皆様においては、組織×空間×ITの三位一体による壮大な解決策の全体像を描きつつ、着手可能な領域からご検討されてみてはいかがだろうか?

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