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文書ファイルの再利用性向上~出版業G社 事業開発部門

日常業務をこなしながら、情報が自然に整理・整頓される「しくみ」を作りこむ

開発プロジェクトや各部署での業務を通じて、日々多くのノウハウが産み出されている。しかし、そのノウハウは個々の文書の中に埋め込まれており、かつ文書量が増えれば増えるほどそのノウハウの再利用は進まない。

出版業G社では、「文書ファイルの再利用性を高める」という課題に対して、標準ルールを設定し、情報共有関連ITツールの機能として実装することで、自然に業務を進めていけば文書ファイルが整理・整頓されて残っていく、という仕組みを実現している。

プロジェクトの背景/目的

  • G社では「ファイルサーバー」「メール」「SharePointのチームサイト」の3つの情報共有ツールが提供されていた。しかし、それらの使い分けや、個々のツール内での分類体系についての標準ルールがなかった。このため、プロジェクトや部署により、文書ファイルの保存先や更新の仕方がばらばらであった。
  • その結果、「求めるファイルがどのツールやフォルダ/サイトにあるかがわからない」「検索してもどれが最新のファイルかわからない」という問題が日常的に発生し、事実上作成した本人以外には、文書の再利用が不可能となっていた。
  • IT部門では、「定期的なフォルダの整理・不要なファイルの削除」をルール化していたが、事実上機能せず、サーバー増設などITインフラのコストの増大という新たな問題を引き起こしていた。
  • そこで、G社事業開発部門では「文書ファイルの再利用性向上」を目的に、ファイル整理・整頓の仕組みづくりに取り組んだ。

解決策

G社開発部門では、「ルールの標準化とIT/非IT施策による徹底」のアプローチにより、プロジェクトを進めた。具体的な施策については以下の通りである。

  1. 含まれる情報の種類別に、ツールを使い分けさせる
    部門内で扱われる情報を、流通範囲(全社/部門/チーム/個人)とタイプ(ストック:文書共有、フロー:連絡・通知、ディスカッション、意思決定承認)の組み合わせで分類し、分類毎に使用するツールを指定した。
  2. 使い分けルールのイメージ

  3. ツール毎に運用ルールを設定
    ツール毎に、発信・保存・削除のルールを設定した。例は以下。
    • プロジェクトサイトは、「チームや個人が作業用ファイルを保存する一時的な領域」という位置づけとし、年度ごとに一括アーカイブし、3年度後に削除する。
    • プロジェクトサイト設置の際には、管理者を選任し、事務局に申請を行う。ファイル名は"yymmdd文書名Vxx.拡張子" (xxはバージョン番号)の形式とする。

  4. 各ツールにルール遵守を促進する機能を実装
    運用ルールの一部は、SharePointのサイトの機能として実装された。例えば、プロジェクトサイト設置時には自動的に事務局向けの申請フォーマットが立ち上がり、ワークフローで承認を得ることができる。

  5. 事務局によるルール遵守のモニタリング
    ファイルサーバーのフォルダ構造など、完全にツールで制限をかけることが難しいケースもある。運用ルールの徹底を図るために、事務局となった企画部門がチェック機能となり、四半期に一度、ツールの利用状況を確認し、必要に応じて担当部署への是正指示を行っている。

効果

こうした施策により、G社事業開発部門では、規律ある文書ファイルの管理を実現し

  • 情報の検索性・再利用性の向上により、重複作業が減少
  • ITインフラコストの増大を抑制
という効果が得ることができた。G社では事業開発部門をモデルケースに、他部門へも横展開を図っている。

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